運動能⼒の低下

⼦どもの体⼒・運動能⼒調査によると、⼦どもの体⼒は2019年以降再び低下しつつあります。また、3歳児と5歳児を対象に運動能⼒を⽐較したある研究では、2007年の5歳児は、1985年の3歳児と同じくらいの運動能⼒にとどまっていることが報告されています。

三間（時間,空間,仲間）の減少

昔は、いわゆる「⾃由遊び」によって、多くのことを“⾃ら”学びました。しかし現代は、三間（時間、空間、仲間）の減少が⼤きな問題となっており、遊びの中で⾃然と養われるであろう基本的運動動作や、思考⼒、判断⼒、⾃主性、情緒性などの習得の機会が⼤きく減少しています。

低年齢化する専⾨性

習い事が盛況な現代、低年齢でスポーツや運動にかかわる機会が増えています。しかし同時に、特定のスポーツだけに参加し、そのスポーツに必要な知識や動作しか⾝につけていないということも起こっています。
幼少期から同じ種⽬、同じ動作だけを繰り返すと、けがのリスクが⾼まることも明らかになっています。

メンタルヘルスと運動習慣

「幼児期に運動習慣がなかった⼈は、⻘年期や成⼈期にメンタルヘルスの不調に陥りやすくなる」ということがわかっています。運動習慣によって得た「多様な⼈との関わり」や「⽬標達成の中で得た⼩さな成功体験」などは⻘年期のこころを安定させるのに役⽴つ可能性があるようです。

運動の順序

読み書きや勉強と同じように、運動も順を追って学ぶことが⼤切です。
幼少期は、⾝体を動かすことそれ⾃体を楽しみ、基本的運動動作を獲得する時期です。この時期の「基礎の構築」が、その後のスポーツライフに影響を与えます。